品揃えをABC分析で決定していて、C商品をカットしたら途端に「品揃えが悪い」とお叱りを受けた・・・。そんな記憶はありませんか?そういったことを未然に防ぎながら品揃えの提案をする方法が「トライアルリピートマトリックス」です。
トライアル・リピートって何だ?
まずは、実際の分析手法に入る前に、用語の説明をしておきましょう。
トライアル・リピートの意味とは?
用語 | 定義 |
トライアル | 対象商品などで、一定期間に商品を購入したユーザの数 |
リピート | 対象商品などで、一定期間に2回以上商品を購入したユーザの数 |
リピート率 | リピート ÷ トライアル × 100 (%) |
この定義はID-POSデータ分析の基本的な概念になるので、しっかりと覚えておきましょう。
以前の投稿でも説明した通り、売上とはトライアルからリピーターにいかに転換するのかが大事です。その時にその商品の顧客構成は「トライアルユーザ」で支えられているのか?「リピートユーザ」で支えられているのかを分かりやすくまとめてあると、品ぞろえにおける重要度がわかりそうです。
トライアルリピートマトリックス
トライアルとリピートの関係を分析する手法は、他にもトライアルからどの程度の時間をかけてリピーターに転換したかを図る「トライアルリピート分析」がありますが、これはまたどこかで説明するとして、今回はこのマトリックスの作り方を説明しましょう。
何を準備するのか?
ID-POSの集計において、まずはその商品の「購入者数(ID)=トライアル」を集めましょう。その次に、期間中に「2回以上購入した数(2バスケット以上購入したID)=リピート」を求めて、上の式に当てはめて「リピート率」を計算します。
トライアルとリピートさえわかってしまえばあとはExcelなどで数式を入れて計算してしまえばいいので、楽ですね。この結果を次のような表にしておきます。
この時、その商品の金額PIも並べておくといいでしょう。
実際にマトリックスを作ってみよう
トライアルを横軸、リピート率を縦軸、金額PIをバルーンの大きさにすると次のようなバブルチャートが作れます。
さらにこのバブルチャートに、それぞれの平均を現した線を引いてみましょう。
すると4つの象限に分けることができました。右上に行くほど「トライアルもリピートも多い商品」、右下では「トライアルは多いがリピートは少ない商品」、左上では「トライアルは少ないがリピートは多い商品」、左下では「トライアルもリピートも少ない商品」と理解できます。
これを品揃え上の「戦略」としてはどのように考えたらいいでしょうか?右上は間違えなく大事そうです、他はどうでしょうか?これを次のようにまとめてみました。
従来のABC分析では情報から落としてしまっていた、リピートや客数といった概念が入ってくるため、従来ならばカットしてしまっていた高リピート商品などを見分けて、「あるべき売場」にすることができます。
こういった形で、得意先にも「わかりやすい」形でデータを集約してあげると、短い商談時間でのプレゼン力は高まるかもしれません。ぜひ、試してみてください。
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