飲食店の業態転換と注意点(2)通信販売編

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販路開拓 食品経営

前回は飲食店の生き残り策の手段としてのテイクアウト・デリバリーをする上での注意点をご紹介しました。

しかしながら、料理の多くはすぐに食べなければ食中毒の危険もあり、風味も劣化してしまうため遠方のお客様を取り込むことが難しく、どうしても商圏が狭くなってしまいます。また作り置きも難しいため、一日の生産能力が限られてしまい売上拡大にも制約があります。

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一方で、発達した急速冷凍の技術を用いることにより、料理の美味しさをそのままに冷凍・包装して作った料理を保存し、全国へと通信販売にて届けることが技術的に可能な時代となっています。当社では急速冷凍した食品を、通信販売により全国に販売する業態転換を推奨しています。

(なお当社では冷凍設備メーカーと業務提携して、設備導入から生産管理、補助金の活用、経営戦略に至るまでの総合的な支援を行っています。ぜひご相談ください。)

そこで今回は、飲食店が食品の通信販売を実際に行うにあたって、押さえておくべき注意点を紹介します。

注意点①:まずは製造業としての営業許可を取る

 容器包装を伴う食品を製造するためには、惣菜や弁当であれば1種そうざい製造業の営業許可が、それ以外の食品であれば食品ごとの製造業としての営業許可が必要になります。(食肉製品製造業など)

しかしながら、営業許可を取るためには安全・安心な食品を製造する必要から、業種ごとに定められた必須要件を満たさなければなりません。例えば、弁当や総菜を製造する1種そうざい製造業では以下の通りとなります。

施設の工事を着工する前には、必ず保健所に施設(製造スペース)の図面の案をもって事前相談を行いましょう。この際には、業種ごとの必須要件を意識した設備の導入計画を立てましょう。

(なお、当社では中小規模の食品製造に精通した設備会社・建築会社と協業しており、営業許可を満たすための設備導入について、専門業者も交えて相談することができます)

 保健所との相談の際には、導入しようとしている設備や動線が必須要件を満たしているか、一点ごとに確認しながら進めていくことをお勧めします。

設備の導入計画を立て終えると、いよいよ営業許可を申請します。営業許可申請の際には、以下の書類等を提出します。

・営業許可申請書(1通)
・営業設備の大要・配置図(2通)
・許可申請手数料(東京都の場合13,200円)
・食品衛生責任者手帳等

(なお、調理師・栄養士等であれば食品衛生責任者になることができますので、もし交付を受けていない場合には、前もって各都道府県の食品衛生協会に申請して食品衛生責任者手帳を交付してもらいましょう。)
・(水道水ではなく井水を使っている場合のみ)水質検査証明書
・(法人の場合)登記事項証明書

その後、保健所による「施設完成の確認検査」(実地での調査)を行い、営業許可証が数日後に交付されます。(もし不適事項がある場合には、改善し再検査を受けることになります)

※なお東京都では、食品関係営業許可は以下の手引きに示されています。

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/kyoka/files/2019tebiki.pdf

※各都道府県の具体的な手続きについては、各都道府県のHPをご確認ください。

注意点②:製造した食品には、食品表示を記載する

通信販売では、お客様と実際に会って接客することができません。そのため、商品の中身や原材料などの情報を伝える手段は食品表示だけとなります。こうした情報は、とりわけ食品アレルギーをお持ちのお客様にとっては命に係わるものとなります。

(なお、容器包装された加工食品については、原則として食品表示法に沿った食品表示を付けて販売することが法律で義務付けられています。)

ところが、表示の内容をどう書けば良いのか、経験・知識の無い中から始めなければならないケースも多いと思います。そこで、以下に適正な食品表示を作成するための対応策をまとめました。

①まずは表示に何を記載すべきか確認を

食品によって、表示に記載すべき項目とルールがそれぞれ異なりなす。まずは消費者庁の「早わかり食品表示ガイド」を活用することで、作りたい食品に必要となる、記載すべき項目の全体像を把握することができます。

消費者庁「早わかり食品表示ガイド」

https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/pamphlets/pdf/02_h-foodlabel200401.pdf

②身近な有識者に相談を

身近に食品表示検定などの有資格者、管理栄養士などがいる場合にはぜひ相談してみましょう。なお、当社には食品メーカーでの表示作成実務の経験者が所属しており、食品表示の作成についても助言できる体制を整えていますので、ぜひご相談ください

③行政機関に相談を

地域の行政機関に電話やメールで直接相談すると、法令の知識を持った行政担当者から、実際の法令解釈に沿った助言を頂くことができます。

・アレルギー表示、賞味期限、保存方法など、衛生・保健に関する事項
→各都道府県の保健所・保健関係部署
・原料原産地記載の方法など、品質事項表示に関する事項
→各都道府県の農林水産関係部署または保健・生活関係部署(※地域により異なります)

なお各都道府県での実際の問い合わせ先については、消費者庁公式HPにリンクがまとめられていますので、こちらを参照願います。

消費者庁:食品表示法の相談・被疑情報の受付窓口(各都道府県)

https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/contact/prefectures/

以上で、業態転換に関する法的な注意や準備事項でした。こうした準備も円滑に進めて、新型コロナの苦境を跳ね返し、新たな成長の機会にしていきましょう。

飲食店の業態転換はプロにご相談を

飲食店の業態転換には、食品業界での豊富な実務経験を持つ中小企業診断士や、HACCPコーディネーターやJFS-A/B(E/Lセクター)監査員資格も持つ中小企業診断士がいるはじまりビジネスパートナーズへお気軽にご相談ください。

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さらに、HACCPの導入を簡略化できる、IT関連・IoT関連の機器は各種補助金が活用できるかもしれません。特設ページをご覧ください。

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