みなさんこんにちは、はじまりビジネスパートナーズのコンサルティングメニューは「資金調達支援」「HACCP導入支援」を主にして食品事業者むけサービスを展開しているとお思いの方がたくさんいらっしゃると思います。
実は、それは大きな間違いでして、、、実は「ID-POSデータを使ったマーケティング支援」が実際のお客様の売上の大半を占めているんです。そんな訳で不定期ですがID-POSの分析手法について用語解説のページをしばらく掲載していこうと思います。
ちなみにはじまりでお客様に利用を勧めているツールはショッパーインサイトの「real shopper SM」です。
ID-POSで考える「売上」の在り方とは?
従来手法ではとらえきれなかった「売上」の流れを細かく、顧客視点でとらえることができるのがID-POSデータの、POSと比較して有利なところです。どういった形で有効性があるのかを少し考えてみましょう。
今までの売上に関する考え方とは?
みなさん、営業やマーケティングについて最初に習う言葉に「売上=点数×単価」というのがあると思います。これはビジネスを考えるうえでとても当り前のことだと思います。
では、この「点数」って言うのはどんな時に変化するでしょうか?例えば・・・
- スーパーの来店客数の変化
- 値段の高い安い
- 売場のフェイス数の多い少ない(=露出の多さ) など
非常に多岐の要素があると思います。そういった中で極めて単純な「点数×単価」の式でビジネスをしていて問題になるのが、こんな言葉ではないでしょうか?
この間の棚替えで入れた商品だけど、たぶん高すぎで全然売れないわ
それでは、改めて低単価で売れそうなもの紹介します
結局、安いの入れたけど全然売れないわ。もっと安いのないの?
もうこれ以上安いのって言われても難しいですよ
じゃあ、原因は何なのか分析してもっとまともな商品紹介しろよ!
そういわれましても・・・・
典型的な「デフレ」の渦です。今までの理論で言えば、価格弾力性の観点から点数が下がれば、単価を低くして点数を回復させて売上を伸ばそうとするのですが、実際にはそれで売上が回復をするというのは難しいです。
スーパーの売上点数はどのように形成されるのか?
では、この売上点数というのはどのように考えられるのかを、スーパーの購買の視点で考えてみましょう。
上の図は売上を模式化したものです。一番上はスーパーの総来店客数としましょう。するとある商品を購入するというのは「出現率(購入経験率)=確率」でその割合が示されます。
次に、その商品を一定量の購入客がリピーターとして残り続ける訳です。その歩留まり率を「リピート率=購入者のうち2回以上購入する顧客の割合」で表します。ここは概念が近いのですが、その中には「2回買う人」「4回買う人」のように「購入回数」の違いは当然あります。
ここで気を付けなくてはいけないのが、1回のお買い物が常に1個の商品を買うのであれば、人数×購入回数=売上点数なのですが、そうはいきませんね。1回のお買い物で「2個買う人」「4個買う人」のように「(1回あたりの)購入点数」の違いもあります。
最後に、その商品の購入点数に「平均単価」をかければ「売上金額」になるわけです。
上記の事例で、総売上金額は次のように求められます。
青い人 :頻度2回×購入数4個×単価40=320円
黄色い人:頻度4回×購入数2個×単価20=160円
橙の人 :頻度4回×購入数2個×単価30=240円
1回購入で離脱した人(トライアルユーザ):頻度1回×購入数1個×単価30円=30円
=320+160+240+30=750円
店頭では売上を上げるためにはこれら対応をする指標に対して、それぞれ「新規顧客の獲得」「既存顧客の流出防止」「購買頻度を増やす」「購買数量を増やす」「購買単価を増やす」といった施策をするのです。
ではID-POSでの売上分解式とは?
ID-POSではPOSのような単純な分解式ではなくて、上記の要素まで分解してみることができますので、次のようなイメージで計算できます。
今までの分解式の「点数」の部分はさらに細かい掛け算で表すことができます。
この式をどのように活用するのか?
来店客数に問題があるとき、出現率に問題があるとき、購入回数に問題があるとき、まとめ買いに問題があるとき、ここまで細かく要因分析ができていると具体的なアクションにつなげることができます。例えば次のような対応が典型例として考えられます。
指標① | 指標② | 対応策 |
来客数 | ①スーパー総来店客数 | チラシ、DMの送付 |
点数 | ②出現率 | フェイスUP、多個所展開 |
③④リピート率・購入回数 | 品揃えの整備、顧客志向 | |
⑤まとめ買い | 関連販売、顧客志向 | |
単価 | ⑥平均単価 | 関連販売、顧客志向 |
ここまでくると、従来型の単純な「安いか?高いか?」といった議論からは脱却できそうです。
使っているID-POSではこんな指標が取れないときの対処
さて、みなさんがお使いのID-POSの集計ツールではなかなかここまでの指標は取れないのではないでしょうか?そんな時は、もともと集計される指標からこれらの数字は求めることができます。
売上分解式の項目を求めるには?
上記の式は次の公式で求めることができます。
- 購入回数=バスケット数÷購入者数
- まとめ買い=購入点数÷バスケット数
購入回数は、一定期間に何回レジを通ったか?と考え、回数とはバスケット(=買い物かご)の通った回数です。まとめ買いは、1つのバスケットにその商品が何個入っていたか?を考えれば言い訳です。
よって総合的な売上金額とは、ランキングなどで抽出される結果から次のように求めます。
売上金額 = 総来店者数 × 出現率 × 購入回数 × まとめ買い × 平均単価
これらの項のうち何が悪いかを判断することで、値段によらない的確な提案を得意先にすることが可能となります。
ID-POSを使ったマーケティングはプロにお任せください
ID-POSデータ分析はこれからの小売業への提案へのマストスキルです。これからは店舗の効率化(スマートストア化)の進展で、購買データを基にした合理的な売場づくりが求められます。対小売提案の武器として、いち早くID-POSの分析手法を導入することで、メーカーと小売業の良い関係性が築けます。まずははじまりビジネスパートナーズにご相談ください。
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